Visual C++ 2010 でshared_ptr

この度、Visual Studio 2010からC++0xのshared_ptrを使うことができるようになったということで試してみました。

まず、2つのshared_ptrで整数型の配列を参照する例(ソースコードについて、コメントを頂きましたため、修正いたしました。)

#include <stdio.h>
#include <memory>

int main()
{
    const int SIZE = 5;

    std::tr1::shared_ptr<int> p1(new int[SIZE], 
        [](int* ptr) { delete [] ptr; });//配列型は、delete [] ptr; とメモリを解放する必要がある

    //std::tr1::shared_ptr<int> p1(new int[SIZE]);//int型の配列を確保
    std::tr1::shared_ptr<int> p2;
    
    //p1が参照しているint型配列の値を設定する
    for (int i = 0; i < SIZE; i++) {
        p1.get()[i] = i;
    }

    //p1、p2が同じint型配列を参照する
    p2 = p1;

    //参照カウントを表示
    printf("use_count: %d\n\n", p1.use_count());

    //p1、p2が参照している配列の要素を変更する
    p1.get()[0] = 999;
    p2.get()[1] = 999;


    //p1, p2それぞれの配列の要素を表示する
    for (int i = 0; i < SIZE; i++) {
        printf("p1[%d] = %d\n", i, p1.get()[i]);
    }
    puts("\n");
    for (int i = 0; i < SIZE; i++) {
        printf("p2[%d] = %d\n", i, p2.get()[i]);
    }

    return 0;
}

実行結果

p2 = p1 が実行された後で、参照カウンタが「2」になっている。p1、p2それぞれの参照先の要素の変更も反映されていることがわかる。

use_count: 2

<span class="deco" style="color:#FF0000;">p1[0] = 999
p1[1] = 999</span>
p1[2] = 2
p1[3] = 3
p1[4] = 4


<span class="deco" style="color:#FF0000;">p2[0] = 999
p2[1] = 999</span>
p2[2] = 2
p2[3] = 3
p2[4] = 4

次に、オブジェクトが破棄される（デストラクタが呼ばれる）タイミングを以下のコードで調べてみる。

オブジェクトが破棄されるタイミングを調べるためのコード

#include <stdio.h>
#include <memory>

class MyClass {
public:
    ~MyClass() {
        printf("Destructor called\n");
    }
};

int main()
{
    std::tr1::shared_ptr<MyClass> p1;
    std::tr1::shared_ptr<MyClass> p2;

    printf("p1.use_count: %d\n", p1.use_count());

    p1.reset(new MyClass());

    printf("p1.use_count: %d\n", p1.use_count());

    //p1とp2が同じMyClassオブジェクトを参照する
    p2 = p1;

    printf("p1.use_count: %d\n", p1.use_count());

    p1 = NULL;

    printf("p1.use_count: %d\n", p1.use_count());
    
    p2 = NULL;//ここで参照カウントがゼロになり、デストラクタが呼ばれる

    return 0;
}

実行結果

１つのMyClassオブジェクトを参照するshared_ptrが増える度に、参照カウンタが増加することが分かる。
そして、shared_ptrにNULLを代入すると参照カウンタが減少し、参照カウンタがゼロになるとMyClassオブジェクトのデストラクタが呼ばれる。

p1.use_count: 0
p1.use_count: 1
p1.use_count: 2
p1.use_count: 1
Destructor called

参考
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/bb982026.aspx
http://blog.livedoor.jp/hkoie/archives/51164311.html